▼ 蜘蛛のアジト
3日ほどかけて飛行船でヨークシンシティ
懐かしく感じるのは何故だろう
前にもクロロとここにきたのかもしれないと
無理やり納得する
天空闘技場で目が覚めてたから
まだ少し頭の中がすっきりしない
口にはださないがクロロとの
思い出もあやふやだった
何故、天空闘技場にいるのかわからないが
クロロは攻撃されたからだろう
ここ数年の記憶に支障が出ていると言っていた
飛行船から降りる時
握られたクロロの手
こんなに優しかっただろうか
もっと冷淡で冷たかった気がするのに
どこか雰囲気も変わった気がする
クロロが女の人と歩いてるのを見た・・・はず
そこまで思い出しているのに
それ以上の事を思い出そうとすると
ズキズキと頭が痛んだ
少女だった肉体も想像していたよりも
大人っぽくなっていて驚くあたしを見て
クロロは笑っていた
◇◇◇◇◇
同じようなビルが立ち並ぶ場所
「今回はこの街で仕事をする。
その間はここに泊まる。」
「うん。わかった。」
同じ建物ばかりなのに
一つのビルの前で迷わずに立ち止まった
中に入るとやはり荒れ果てていた
「コルトピ、マチ、アラタだ。」
髪が長く目しか見えない人と
綺麗な女の人がいた
「初めまして!アラタです。
よろしくお願いします。」
「始めまして・・・?」
マチと呼ばれた女の人が眉間に皺を寄せた
「あー!団長が言ってた子か。
コルトピだよ。よろしく。」
手を差し出されたのでその手を握る
子どものように感じるが
クロロと一緒にいるということは強いのだろう
「アラタ、部屋へ行くぞ」
「あ、うん。」
眉間に皺を寄せたままのマチさんが行く手を阻む
「団長、説明は?」
「マチ、後でしてやる。
暫く部屋には近づくなよ。」
小さく頭を下げ横を通り抜けると
後ろからは舌打ちが聞こえた
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