H×H | ナノ


▼ 黒い影

眠気でふわふわとしたここちで
部屋の呼び鈴が鳴る

ヒソカの部屋なのに物好きがいるらしい

でももしかしたら
キルアやゴンかもしれない

音を立てないようにベッドから降り
扉へと近づくが殺気などは感じなかった

開けてはいけないとわかっているのに
好奇心には勝てずに扉を開ける

「やはり、アラタか」

「・・・っ!!」

すぐに扉を閉めようとしたが
足を入れられ閉めることができない

「・・・ヒソカに用でもあるの?クロロ」

「まぁ、そうだな。」

グググっと開いていくドア
念で力を加え歯を食いしばりながら
閉めようとるがやはりかなわない
顔色も変えないクロロが憎らしい

「入るぞ」

嫌だ、と言ってもはいってくるくせに
喉まで出かかった言葉を飲み込みドアから手を離した

「ヒソカが女といると聞いて気になって見に来た。
イルミの次はヒソカなんて随分趣味が悪いな。」

部屋の中を見渡しながらソファに座り足を組む
その様子をソファから離れて眺める

「・・・別にヒソカとは何も無い。」

「あの男が何もしないなんてありえない。
ヒソカなんてやめて帰ってこい。」

「帰ってこい、って
あたしの居場所はクロロの所じゃない!」

はぁ・・・と溜息が聞こえた

「ここから出ていきたくない、と
縋り付いてきたアラタが懐かしい。
お前に快楽を教え込んだのは俺だ。
最初に手に入れたのも俺だ。
お前の主は俺だと思うが。」

「何年前の話をしてるの。
・・・あの頃はあたしも幼かった。」

立ち上がったクロロが壁際にいるあたしに近づいてくる
逃げなければ、と思った時には
壁押さえつけられていた

「アラタ、戻ってくるか?」

「いや、絶対に戻らない。」

「・・・そうか。なら仕方ない。」

諦めてくれたのか、と安堵する

「入ってくれ」

その声が合図となって
部屋の扉が開き誰かが入ってくる気配がした

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