▼ 少しの休憩
湯船につかり頭を洗ってもらいながらボーっとする
あたしは裸でヒソカは服を着ている
「アラタ、何を考えているんだい?」
「別になにも・・・」
髪の毛を洗っていた手が顎を掬う
口元は笑っているのに目は笑っていない
「まだイルミが好きなのかい?◇」
「・・・さあ」
目を細めた顔が近づいてきて唇が重なる
気が済んだの唇が離され
髪の毛を洗い終わると
抱きかかえ上げられる
「ヒソカ、服濡れるよ」
「服なんか着替えればいいだろ◇」
いつものように体を拭いてもらって
着替えようとするがヒソカに腕をひっぱられ
ベッドへと連れていかれる
乱暴にベッドへと放り投げられた
「ちょっと、ヒソカなに?」
「君を僕のものするには
どうすればいい?」
獲物を捕らえるように目がギラギラとしている
「なに言ってんの」
上に覆いかぶさってきたヒソカが
肩にキスを落とす
「僕は強い人間にしか興味がないはずなんだけど。
何故かアラタ、君には惹かれるんだ◇」
いろいろな箇所にキスをしていくヒソカ
弱いと馬鹿にされ腹が立ち
髪の毛を引っ張りどかそうとするが
びくともしない
「うるっさいなっ、そのうちヒソカより
強くなってやるんだから!」
力で勝てないのなら口で対抗するしかなく
悔しくて奥歯を噛み締める
あたしの抵抗を気にすることもなく
キスを落としていく
「早くイルミなんか忘れて
僕の所にくればいい。
うんと可愛がって甘やかしてあげる◇」
答えはいらないように囁きながら
太ももに手を添える
ヒソカは血も涙もない快楽殺人者で
もっと冷めた人間だと思っていたが
そうでもないらしい
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