H×H | ナノ


▼ きみの心に触れたい

殺気が伝わってくるが
イルミやヒソカに比べたら感じないに等しいほど
弱いものだった

「おい、お前!
ここは200階クラスの部屋だぞ。
ヒソカの女だか知らねぇが
戦ってもないやつが来るんじゃねぇ!」

「うるさいなぁ。
文句があるならヒソカに言ってよ。
あたしは全然出て行ってもいいもの。」

大袈裟にため息をつくと
男達は更に苛立ったようだった

「あたしにも勝てないなら
ヒソカなんかに勝てるわけないよ?」

その言葉が合図となり男達は向かってくる
女1人に男が4人なんて卑怯だと思う

胸元から出した小さな人形を床に置く
手のひらより少し小さいサイズの人形は
イルミをモデルに作ったもので
猫目が可愛い男の子だ

「どうした?人形遊びかー?!」

自身に殴りかかってくる男達を軽々と避ける
どうやたら念などは知らないようだ
今日200階に上がってきたのだろうか

その隙に人形が男の1人が
持っていたナイフを素早く奪う
人形からしたら大剣の用になるが軽々と持ち上げていた

念が強くなっているとわかり口角が上がる

「何笑ってんだ!」

「ナイフ奪われても気が付かないなんて馬鹿なの?」

「なんだと?!」

ぎゃーぎゃー喚く男達に嫌気がさしてきて
ふぅ、と息を吐いた

「もう、その人形が相手してくれるから」

窓辺に座るとまだ文句を言おうとしている男の
首が横に一気に裂かれる血が飛び散る

「なんだ!?!!」

「それすらもわからないなら
200階なんて到底無理ね。
ばいばーい」

にこやかに手を振ると同時に
残りの男達の首が横に裂かれ
血を出しながら倒れて行った

こちらも怪我をするかと思っていたのだが
指1本触れられる事もなかった

少し血を浴びてしまった人形が
ナイフを投げ捨て戻ってきた

操っているのが自分だが
イルミに似た人形は愛着が湧いていた

よしよしと頭を撫でれば擦り寄ってきている気がする

「おかえり◇
派手にやったね◆」

物陰が現れるヒソカに舌打ちをする

「見てたくせに。
助ける気なんてなかったでしょ。」

「あぁ◇あれぐらいアラタなら
問題なかっただろ?」

ニヤリと笑うヒソカの横を
通り過ぎて部屋へと戻ろうとすると腕を掴まれた

「あの人形、イルミに似てるけど◇」

「まぁ・・・。一応モデルはイルミだもん。」

「使うのやめたら?僕をモデルに人形を作っていいよ◆」

「いや、いいよ。
それに作るのめんどくさいし、
壊そうなんて思わないでね。」


作るのがめんどくいなんて嘘だ
ただイルミに似た人形は壊されたくなかった

「ふぅん・・・」

ヒソカをチラリと見れば
目を細めて口角を上げているが
目は笑っていなかった

「戦闘中に壊れるのはありかい?」

「それはしょうがないけど
戦闘中にヒソカが壊すのはなし。」

「・・・残念◆」

掴まれていた腕は離され
今度は肩を抱かれる

「離して」

「別に問題はないだろ?」

そう言ってがっちりと掴まれた腕はびくともせず
諦めて抱かれたまま部屋へと戻った

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