▼ 関係、自由
ヒソカはいったい何を考えているんだろう
朝食を食べながら向かいに座るヒソカを見る
イルミにサヨナラしてから数日
だいたいは朝起きるとヒソカは
ベッドにはいなくて
どこからかテイクアウトしてきた朝食を
テーブルに並べていた
もう顔のメイクもしていつものヒソカだった
ヒソカの寝顔をあまり見たことがない気がする
あの1度以外sexすることもなく
抱きしめながら寝てくれる
あたしが起きた事に気がつくと
ベッドまで来てわたしの手を取り
紳士のようにテーブルへとエスコートされた
「何だい?◇」
あたしが見ていたことに気がついたヒソカが
にんまりと目を細める
「ヒソカって女の人には
紳士的な感じなの?」
「紳士?
僕は何時でも紳士だと思うけど◇
でも、あえて言うなら
アラタにだけだよ◆」
「あー、はいはい。」
男がよく言う口説き文句が
出てきたところで話を打ち切る
変なメイクを落とせば顔は整っているから
女性に困ることもないはずだ
きっと女性にはこんな感じなのだろう
「あ、あたし今日買い物にでも行ってくる」
「そう、じゃあこれ」
カードを手渡される
クレジットカードだとわかり
すぐに返そうとするが
受け取ってもらえない
「お金持ってるしいらないってば」
「アラタが何を購入したか把握したいんだよ◇
好みが自然とわかるだろ?」
ぞわりと背中に冷たいものが走る
「きもい、」
「失礼だな◇
だからそれで買い物するこ◆
君のお金は僕が預かってるからね。」
「はぁ?!いつの間に!?」
「さぁ◇」
悪びれた様子もないヒソカに
諦めてため息をついた
◇◇◇
「じゃ、行ってくる」
「行ってらっしゃい◇」
ヒソカは束縛をしない
世話を焼きたがる以外は
基本的に自由にさせてくれる
この数日の間に出ていこうとしたが
難なく阻止されてしまった
それでも無理やり出ていけるはずなのに
出ていかない自分はやっぱりヒソカに甘えている
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