H×H | ナノ


▼ 髪の毛で済んだならいいでしょ?

1日中ベッドからも出ないで
ゴロゴロして求められて応じてを繰り返す

「アラタ、君の体質すごいよ◇
力湧き上がってくる。
皆、君に溺れるわけだね。」

夜になるとそう言い残してキスをしてからでかけて行った

自分では相手に及ぼす影響が
どのようなものかわからない
ただ疲労感だけが付きまとう

鬱屈した気持ちを晴らしたくて
重たい身体を引きずりながら
熱いシャワーを浴びた

クローゼットにはヒソカが
いつの間にか買ってくれていた服がある
適当に選んだワンピースを着た
どこかに頭に刺さっていたイルミの針があるはずなのに
どこを探してもなくて諦めて部屋をでた

ゴンとキルアの所に行こうかと思ったが
やっぱりやめておく
ヒソカとの事がやはり後ろめたい

エレベーターで1回に降りて外に出ると
外はもう暗く人も少なかった

「アラタさん」

聞き覚えのある嫌な声が後ろからした

「・・・なに」

振り向けばやはりアナンだ
パーティー会場でみたよりも
ラフな格好で髪も一つにくくっている
香水の匂いが鼻につく

「部屋に行ったのにお取り込み中だったのかしら?
イルから離れたと思ったら
すぐに違う男の所に行くなんてまるで寄生虫ね」

「それはどうも。」

鬱陶しい
ジワジワと胸の中が黒く渦巻いていく

「ふふふ、イルと私は婚約したの。
それを報告にわざわざ来たのよ。
やっぱり野良猫は嫌だったみたいね。」

もう面倒くさい
何も言わずに立ち去ろうとする
これ以上この女の顔もみたくない

「イルと寝たわ。」

ゾワっと肌が粟立つ
自分が腹を立てるのは間違えてる
そう分かっているけれども
苛立ちは抑えられない

気がつけばアナンを押し倒し口を押える
両膝で腕を押さえれば起き上がることもできない

あたしのことを弱そうといったくせに
これくらいも避けれないならあたしでも殺せる

アナンは驚いたようで硬直しているその様子が少し笑えた
下だと思っていた相手に押さえ込まれていい気味だ

「うるさい。
あたしの前でイルミの話をしないで。」

口を押さえたまま太ももに
隠してあるナイフをとり振り下ろす

ザクっと音と共に風で
アナンの髪の毛をが宙を舞う

顔に振り下ろしたいのは山々だが
自慢であろう髪を根元で切り落とす

ヒソカからもらったナイフは
斬れ味がよく一振りで髪を切り落とせた

宙に舞うのが自分の髪だと気がついたアナンは
目を見開きじたばたと暴れている

「イルミに伝えてくれてもいいよ。サヨナラって。
それとも黙って出てきてるなら言えないかな?
自分が弱くて髪の毛を切られました、
なんてかっこ悪いもんね?
イルミに弱いのバレちゃうし
呆れられるんじゃない?」

自分でも驚くぐらい嫌味が口からでていく
それでもやめる気は起きない

「おや、殺すのかい?◇」

あぁ、ややこしいのが来たとため息がでる
アナンの頭の方にヒソカがしゃがみニヤニヤとしている

「殺さない。うるさいから
黙らしてただけ。
帰ってくるの早くない?」

「いいのがいなくてね。
雑魚ばかりで楽しくなくて帰ってきた◇」

「そう。」

アナンの口を押さえていた手を首へともっていく

「貴女、なんて、っぅぐっ」

喋り出す前に首を締め上げていくとすぐに意識を失った
動かなくなったアナンから降りる

「殺さないの?◇」

「うん。イルミの婚約者だし。
後からややこしくなるの嫌だもん。
とりあえず後はよろしく。
どうせイルミもこの近くにホテルとってるんでしょ。」

「・・・人使いが荒いね◇」

完全な八つ当たりだが少しだけ気が晴れた


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