▼ 食べるのは誰
アルコールが回った頭も身体も熱い
ベッドに横たわる時々愛撫のようなキスをしながら
ヒソカはあたしの頭を念入りに調べる
イルミの針が刺さっているという場所を見つけた
頭のてっぺんに刺さっていて
自分では絶対に気が付かない場所だった
「イルミは婚約したんだし。
イルミから離れてもいいんじゃない?
これはイルミからの卒業の一歩だね◆」
「・・・う、ん」
ズズっと何かが頭から抜けていく感触がある
なんだか気持ち悪い
「もうすぐ抜き終わるから
血が出るかもしれないし
すぐに頭にオーラ集中させて◇」
「わかった」
最後までゆっくりと抜けていく
言われた通りに頭にオーラを集中させ出血を防ぐ
「思ったより血が出なかった◇これ針。」
少しだけ血のついた細く少し長い針を見せられる
受け取ろうと手を伸ばすとポイっと投げられてしまった
針が抜けたからか頭がすっきりとしている気がする
「オーラ出さなくても大丈夫そうだ◆」
言われた通りにオーラを消しみるが
覚悟していて痛みはなかった
少し痛痒いだけだ
「アラタ、起き上がれる?」
「うん・・・。
思ったより痛くないね。」
ヒソカはにんまりと笑い
楽しそうに服を脱がせていく
下着も全て脱がされる
それに抵抗をする力は残っていない
「うん、綺麗だ◇
ねえ、見たことあるかい?
この白い肌に返り血を浴びると
赤いが良く映える。」
やめておけと、イルミを信じろと心の声がするのに
何も考えたくないあたしは無視をする
「そんなの、どうでもいい。
早くイルミを忘れさせて。」
「あぁ・・・◇
その言葉だけで勃ってきた。」
ねっとりと絡みつくような深いキスを受け入れると
頭を支えながらゆっくりと押し倒される
優しいキスから荒いキスへと変わっていく
息継ぎができないほどのキスで
口の端から飲み込みきれない唾液が零れる
「ヒソカ、息が苦し、」
なんとか顔を反らして訴えるが
顎を掴まれ逃げられないようにと唇を塞がれる
唇が腫れぼったく感じるほど長い時間キスだけをした
やっとヒソカの唇が離れた時には
息苦しくて肩で息をしながら
覆いかぶさるヒソカを見る
「そんな目で見つめるなよ◇
じっくり味わいたいのに
我慢できなくなるだろ・・・?」
ヒソカの目は人を殺す時のように怪しく光る
寒気がする程に急に怖くなりヒソカの身体を
どかそうと押し返すがびくともしない
「まって、ヒソカっ、」
左の頬を大きな手がふれているのに
刃物で頬を撫でられているようで
小刻みに体が震える
「怖いのかい?
震えてるのも僕を煽ってるだけだって気づいてる?
・・・大丈夫、優しくするから◆」
ヒソカは目を細めながら笑う
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