▼ 蜘蛛の仲間
ヒソカが部屋に戻ってきたのは
夜になってからだった
千切れた腕を抱え女の人と部屋に入ってくる
女の人はあたしを見て眉間に皺を寄せた
「なにこの子」
「アラタ、今預かってるんだ◆
クロロとも知り合いだよ◇」
「ふぅん。この子が、
ほら、さっさっと手出しな」
この人もクロロの事を知っているのなら
幻影旅団なんだろう
嫌味を言いながらも
念を糸に変えてヒソカの腕をくっつけるが
すぐに動かさせるようにするには
この女の人の身体能力と合わさってできる事なのだろう
満足気な気持ち悪い顔のヒソカは見ないようにしていると 女の人と目が合った
「あんた、団長のもんじゃないの?」
なんでヒソカの所にいるのだという言い方に
慌てて顔を振る
「え、違う、」
「マチ◇この子はイルミのものだよ。」
「ゾルディックの?
ふぅん。変わってんね。
あ、団長からの伝言。
“暇な奴改め全員集合”」
イルミの事も知っているのかと驚いたが
そのまま旅団同士の会話を聞くのも
気が引けてシャワールームへと入る
このまま、ゴン達の所へでも行こうかと
考えているとシャワールームの扉が開き
扉に寄りかかったヒソカがいた
「何してるの◆?」
「いや。出かけようかなーと。
マチさんは?」
「帰ったよ◇」
「そうなんだ。
あ、腕は平気なの?」
何気なく聞いた言葉に
ニヤニヤと目を細められしまったと思った
絶対良からぬことを考えている
「おや、心配してくれるなんて珍しいね◇」
「してないっ!
調子乗んな!馬鹿!」
ヒソカのお腹目掛けて拳をのめり込ませるが
やはりびくともしない
「出かけるって、こんな怪我人の僕を
置いて行くなんて冷たいね◆」
「腕、戻ったんでしょ。」
「くっついてはいるけど
まぁ、無理はしない方がいいかな。
マチから念が離れれば効果は薄れるしね。
治るかは本人の治癒力次第ってところ◇」
「ふぅん、」
「とゆーことで今日の外出は禁止◆
僕に付き合ってもらうよ◇」
「はぁ?!」
パタンと入口の扉が閉まる
「僕がシャワーから出てくるまで待っててね◇」
裸になりシャワールームへと消えていくヒソカの
背中には蜘蛛の刺青があった
(ヒソカも、旅団なんだ)
なんとなく実感がなかったが
そういえば、そうだったと思い出した
ヒソカがいない間に出ていこうと思ったが
念で固められた扉を開くことができずに
イライラしながら待つことしかできなかった
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