▼ 息継ぎの仕方
部屋についたのは
日付が変わった頃だった
念を解いてもらえ
反撃もできずイライラしながら
シーツにくるまる
イルミの声、同じ場所にいた事を
思い出すと頬が緩む
一緒にいる時はだめかもしれないなんて
思っていたがやっぱりイルミが好きだ
イルミの姿を見なかったことに
少し後悔しているが
迎えに来てくれると言っていた
その言葉を信じて今は自分が出来ることをしよう
そんな事を考えていると
いつの間にか意識は沈んでいった
◇◇◇
「ん...」
なんだか久しぶりによく寝た気がする
目を擦りながら起き上がり
周りを見渡すがヒソカの姿は見えない
何気なくテレビをつけると
今日の試合が中継されていた
「え、?ヒソカ?」
テレビに映されたのは
ヒソカと長髪の男
ヒソカの腕が千切れていて
自分の腕の人を噛んでいる場面だった
「う、わー」
わざわざ腕をやるくらいだから
後でどうにでもなるのだろう
それでも自分の腕の皮膚を食べる姿は
狂気じみていた
千切られた腕の1本がくっつく
これもきっとヒソカの念能力なのだろう
じっとテレビを見ていてもわからず
内心舌打ちをした
身体はあちこちボロボロのくせに愉しそうなヒソカ
余裕そうな姿からはやはりヒソカが勝つのだろう
ピっとテレビを消し寝転がる
勝敗はわかったし、見る必要もない
やっぱり念に関してもまだまだで焦燥感に苛まれる
イルミが迎えに来るまで少しでも
成長できていればいいのに
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