H×H | ナノ


▼ それは悪魔の誘い

口の中の違和感と息苦しさ、
血の匂いが鼻について目が覚める

目を開けると目の前には
化粧を落としたヒソカの顔があり

「ん、んんっ!!」

これ以上舌が入ってこないように
歯を食いしばり首を振るが
ザラザラとした舌で歯茎を舐められ肌が粟立つ

一通り口の中を自分勝手に
舐め回し満足したらしいヒソカから
やっと解放されるとすぐにシーツで口を拭った

「拭かなくてもいいだろ◇」

クツクツと笑いベッドに座る
よく見ると出かけた時のいつもの
ピエロみたいの服ではなくて
スーツを着ていたが
その服にはべっとりと血がついている
その血がヒソカのものでない事はわかる

「何、その服」

「たまには僕だって普通の服を着るよ◆」

「違う、ヒソカがどんな服を
着ててもどうでもいい!!
血の話をしてるの!」

「あぁ、これか。
ちょっと遊んでただけさ◇」

「返り血浴びる遊びって」

「あ、今晩はアラタも行こうか◇」

「はい?
無意味な殺しはしたくない。」

「無意味じゃないかもね◆」

ニヤリと笑うヒソカは愉しそうに
鼻歌を歌いながら
シャワールームへと消えていった

そんはヒソカを見て嫌な予感だけが残る
今更ながらこの男について来ない方が
良かったのかもなんて思った


◇◇◇◇◇

「なにこれ、どういうこと」

無理矢理ドレスアップをされ仮面をつけられ
連れてこられたのは皆が
仮面を付けたパーティー会場

「ここは政治家が楽しむパーティーだよ」

「・・・で、何で連れてこられたの」

「君の過去を清算するのを少し
手伝ってあげようかなと思ってね」

いつもの喋り方じゃないヒソカに
こいつでもこんな喋り方ができるんだと思った

いつもの喋り方は他人を苛立たせるために
やってるとしか思えない

「過去の清算って・・・」

ニヤリと口角を上げるヒソカは
それ以上答えなかった

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