▼ お姫様だっこ
がっちりと肩を掴まれたまま廊下を歩く
されるがままも嫌なので
身をよじってみるがびくともしない
奥歯を噛み締めながら耐えるしかなかった
廊下でたまにすれ違う男達は
ヒソカを見て道を開け
あたしを見てヒソヒソと
何か話していた
「ねぇ、なんか言われてるよ」
「君を連れてるからじゃないかい?
女性を連れてる僕なんか見れないからね◆
人気者は困るよ◇」
「頭おかしいんじゃない」
ヒソカは冗談か本気かよくわからない
ただ人気者じゃない事だけはわかる
「辛辣だね◆
イルミといる時みたいにしてくれていいんだよ」
「は?イルミ以外に擦り寄ったりしない」
フンと鼻をならして横向けば
ガンっと壁に押し付けられ
背中に感じるはずの痛みは
堅で防御できた
「いい反応だ◇」
「これ、普通の女の子にやったら
訴えられるレベルだからね」
多分骨が折れるくらいの強さで
壁にぶつけられた
「大丈夫。君にしかしないよ◆」
「嬉しくない」
壁に押し付けられたまま
顎を持たれ顔が近づいてくる
それでも目はそらさずに
キッとヒソカを睨みつける
「あぁ・・・アラタ、君の目はゾクゾクするよ◆
ご主人様にしか懐かない子を
泣かすの好きなんだ。
興奮するだろ?
キスしていいかい?◇」
唇を舐め興奮を沈めるように
ブルブルと震えたヒソカをみて鳥肌が立つ
少しとはいえ周りに人がいて
こちらの様子を伺っている
いたいけな少女が変態ピエロに
迫られているというのに
外野は動こうともしない
「むっっ!んっ」
声を出そうとしたタイミングで
ヒソカは唇を押し当ててくる
舌で唇をなぞり
口内へと侵入してこようとする
それだけは嫌だと唇を閉じるが
顎を掴んだまま指が口の中へ入ってきて
無理やり開けさせられる
顎を掴む力が弱まれば
隙を見て逃げ出そうとしたが
全く弱まらない
それどころか腰に手を回され逃げられない
(最悪っ最悪っ!!)
力の差があるとはいえ
こんなにも簡単に口内を犯され
屈辱と苛立ちで頭に血が上っていく
「んっ、ぁっ」
「クク、反抗的な君も可愛いね◆
わかる?硬くなってるの。」
太股にさっきから当たっていたものは
ヒソカの肉棒らしい
ゾワゾワと更に嫌悪感が襲う
口に指を入れられたまま動けない
「久しぶりに女性に興奮してる◆
僕は反抗的な女性が好きなのかな?
それとも人のモノだから興奮するのかな?」
どうでもいい事をベラベラとよく喋る
「ここじゃ、君の可愛い姿を見られちゃうね◆
戻ろうか」
口から手を離すが声が出せない
(やられた)
きっとヒソカの能力だ
身体も動かすことが出来ない
「おや、腰が抜けたのかい?
可愛いねぇ」
睨みつけるがそのまま
ヒソカに横抱きにされ
歩きだそうとするが
ピタリと止まる
「あとさ、君達は見すぎだよ◆」
後ろも振り向かずに
トランプを投げると
ドサっと人が倒れる音がした
「君の可愛い顔を見られたなんて
イルミに知られたら困るだろ?」
なら、キスなんてするな!と
叫び出したいが声を出すことは叶わなかった
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