H×H | ナノ


▼ ぼくたちはひっかいた

3人でお菓子を頬張りながら
お喋りを楽しんでいると
ピンポンっと呼び鈴がなった

「ったく、誰だよ」

悪態をつきながらキルアが
ドアへと向かう

「キルアってなんやかんや
面倒見いいよね」

「確かに!
すっごい頼りになるんだよ!」

ゴンの笑顔は今まで見てきた誰よりも
輝いていて穢れなんて知らないで
そのまま育って欲しいなんて思ってしまう

「ゲッ!!!おい!アラタ!
迎えが来た!」

絶叫に近いキルアの声に
嫌な気持ちが募る
動きたくない気持ちでいっぱいではあるが
キルアとゴンに迷惑をかけるのも気が引ける

立ち上がるとグイっと手を引かれる
思ったよりも強い力で驚く

「ここにいてもいいよ?」

本当に心配してくれているらしいゴン
その可愛らしさに思わず
抱きしめてしまう

「大丈夫っ!また来るから
お喋りしよーね!」

わしゃわしゃと髪を撫でて
入口へと向かうと
案の定ヒソカが立っていた

「や◆遅いから迎えに来たよ◇」

「頼んでない」

馴れ馴れしく肩に手を回すヒソカに
イライラとする

「アラタが世話をかけたね◆」

ヒラヒラと手を振るヒソカを
キルアは睨みつけながら

「アラタ!いつでも来いよ!」

と言ってくれた

「うん!修行頑張ってね!」

逃がさないというように
にこやかな顔のわりに
肩に回されている手の力は強い


◇◇◇◇◇◇


アラタを送り出し
ベッドに横になる

「アラタって変なやつに好かれて
大変だよなー」

「イルミも変ヤツになっちゃうよ?」

「兄貴も変なやつだよ」

ゴロゴロとしていると
部屋に設置されてる
固定電話が鳴る

嫌な予感しかしない

「・・・はい」

渋々電話を取ると
嫌な予感は的中する

[アラタいる?]

名前も名乗らずに用件だけ話ヤツなんて
今話題に出していたヤツしかいない

「いねーよ!!!
ヒソカが連れ帰ったっつーの!」

[ふーん。
じゃ、アラタとヒソカは
天空闘技場にいるだ]

「は?知らなかったのかよ?」

嫌な汗が背中を流れる
電話越しなのに兄貴の不機嫌が伝わってくる

[そうだよ。ヒソカが連れてちゃってさ。
本当嫌になるよね。俺のなのに。
ヒソカじゃなきゃ殺してるよ]

ここにいることを言ったのは
間違いだったのかもしれない

言いたい事だけ言って
電話は切られた

「キルア?大丈夫?」

受話器を持ったまま固まるオレに
ゴンが心配そうに寄ってくる

「兄貴から」

「え?!イルミ?!」

「やらかしたかも。
アラタの場所教えちまった」

「え?大丈夫だよ!
恋人の心配して電話きただけでしょ?
イルミも意外と心配性なんだね」

ハハっと呑気に笑うゴン

アラタへの執着を知らないから
そんな事言えるのだろう

(アラタごめん!)

心の中で呟いた

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