H×H | ナノ


▼ 誤魔化せない雨に

イルミは本当にすぐに帰ってきて安堵する
もしかしたら今日は
帰って来ないかと思っていた

「あの人は?」

帰ってきてすぐにあたしを膝に乗せ
抱きしめられる

「ヒソカに渡した」

「え?」

「ま、俺が殺すけど
とりあえずはヒソカに預けたよ」

「・・・殺して大丈夫なの?」

「アラタは気にしなくていいよ」

イルミの顔が近付いてきて
唇が重なろうとした時に
ピピピとイルミの携帯が鳴る
ディスプレイを見て
舌打ちをして電話にでた

「ヒソカ何?
・・・は?
ふーん。分かった。じゃ」

「・・・どうしたの?」

「ヒソカが行けなくなったって
折角裸のまま放置してきたのに」

「裸・・・?」

チクリと胸が痛む

「抱いてくれって服脱ぎ出してさ」

何でもないように話すイルミに
モヤモヤとしてしまう

「・・・他は?」

「他?
・・・あぁ、唇押し当てられた。
けど何も感じないんだよね。
やっぱりアラタとは違う。」

少し嬉しそうなイルミが
さっきの続きというように
顔を近づけてくる


「イルミ、他の人とキスしたのに
そのままキスしないで」

ぐっとイルミを押し返して
膝の上から降りた

「急になに?」

「今日は嫌なの」

「今までもしてきたのに」

今まで仕事の後にキスをしたこともあるが
今日のは仕事じゃない
相手からしてきたのだとしても
嫌なものは嫌だ

「・・・今日は気分じゃないの
もう寝るね。おやすみ」

立ち上がり寝室に行き
そのままベットへと入って
シーツにくるまる。
もやもやが消えてくれない

数分後イルミがやってきて
ベットへと潜り込んでくる
寝たフリを決め込み
無視していると

「シャワー浴びたよ
これでいい?」

耳朶を甘噛みされる
いつものようにピクリと
体が反応してしまう

「イルミ、今日はそんな気分じゃないってば」

背を向けたまま答えると
手を後ろで締め上げられるように持たれ
腕が少し痛んだ

「アラタは俺が嫌になった?」

「・・・そんなことない」

「じゃぁ、何?」

ギリギリと締め上げられ
耳朶を噛まれる

「っ、イルミっ」

「そんな気分じゃないなら
そういう気分にさせれば
問題ないよね」

チラリと見えたイルミは
いつもの無表情のままなのに
雰囲気は苛立っている

気持ちとは裏腹に
イルミの強引な愛撫を
身体は悦んでいて
口からは甘い鳴き声が漏れる

声が枯れるまで
何度も精を放たれる

「アラタ、逃がさないよ」

逃げるつもりなんてない
あたしもイルミが好きだ
それなのに涙が出てしまうのは
何故なのだろう

身体中に赤い痕
イルミの独占欲

それと一緒で
あたしにも独占欲がある

仕事の邪魔になるから
キスマークなどつけはしないが
本当はあたしもイルミにつけたい

あたしのものだと主張したいのだ


「イル...ミ、も、」

「何度でも達っていいよ」

精を放って硬さがなくならないまま
何度も最奥を突き上げられ
絶頂を何度も迎えるが
気を失いそうになるが
イルミによって阻まれた

身体は満足しているのに
心はどんどんと曇っていった


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