H×H | ナノ


▼ あやふやになった感覚

イルミに連れられ
華やかなパーティー会場へと向かう

いつ暗殺されるかもわからないのに
豪華なパーティーを開く
金持ちの人達には呆れてしまう

自然と口からため息が漏れる
それを聞いたイルミに顔をのぞき込まれる

「どうしたの?疲れた?」

「ううん。お金持ちの道楽って
馬鹿げてるなーと思っただけ」

「ふーん。
まぁ、俺は仕事しやすいからいいんだけどね」

誰にも聞こえない声で2人で会話をしていると
声をかけられた

「イル・・・?」

綺麗な赤髪の美女
目は綺麗なブルーで
モデルのような長身に
見せつけるように
豊満な胸、くびれたウエストを
強調するような赤いドレスを着ている


ここにはゾルディック家の
名前で招待は受けていない
優雅に笑っているのに隙がないのは
イルミの同業者だろう

「やっぱり!
私よ、覚えてないかしら……?」

あたしには目もくれずに
イルミの腕へと腕を絡ませる

「・・・アナン」

少し考えてから名前をつげたが
女は覚えていた事が嬉しいようだ

「覚えていてくれたの?!
嬉しい!!」

「離してくれる?
今日仕事なんだよね」

「あら、ごめんなさい」

そこでやっとあたしに
気がついたようで目が合った
品定めをされてるように
ジロジロと見られる

「その子は?
弱そうだけど・・・」

あたしの体を隠すように
そっとあたしの前に立つ

「お前に関係ないし
詮索しないでくれる?」

アナンはクスクスと笑う

「関係あるの。
私、次のお見合い相手よ」

「母さんに断ったはずだけど」

「こっちには連絡入ってないわ」

「じゃ、改めて断りを入れるから」

「待って、1回くらい会ってもいいじゃない!」

これ以上は会話をしないと言うように
あたしの背中に手を添えて
アナンに背を向けた

今日はあたしの人形を使う予定もなく
イルミが仕事をしている間
壁に寄りかかりじっとしている

男性がチラチラと見てくるのがわかるが
目も合わせずにじっとしている
男と話すな、はイルミの命令
ふと目の端に赤いものがチラついた

「こんばんは」

白々しい挨拶で横に来たのは
アナンで横に立つ


「貴女はイルとどういう関係なの?」

答えないがアナンは気にもせずに話始める

「貴女イルの愛人か何かかしら?
イルとは寝たことあるの?
あ、こんな子どもは抱かないかしら・・・?
私の初めてはイルなの・・・
彼、結構強引なのよ」

クスクスと笑う
イルミが強引なのには知っているし
アナンから聞きたくはない

「それとも貴女実は身体を使って
イルにつけいってるの?」

するとアナンはクンクンと匂いを嗅ぐ仕草をする

「貴女イルが初めてじゃないわね
いろんな男の臭いがするわ」

私、鼻がいいのと笑うアナンに不快な思いが募る

あたしだって出来ることなら
イルミ1人だけならよかったと
思ったことは何度もある

「放っておいて」

やっと絞り出した言葉

「ふふ
無理、よ
だってあたしは今度イルと
お見合いするのよ?
貴女邪魔なんだもの」

悪気もなくそんな言葉を放つアナンは
イルミが好きなのだろうか?


「何してんの?」

「ふふ、女同士の話」

「アラタ帰るよ」

「うん、」

仕事が終わるとあたし達は
さっさっと帰る

「イル、またね」

その言葉を無視して
会場を後にした


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