H×H | ナノ


▼ 素直と単純

ヒソカはしばらく離れていると
いいどこかに行ってしまった

キルアがどこかに行っている間に
ロビーでジュースを
飲む少年に近付き声をかける

「ね、あなたがゴン君?」

振り返る少年はまだ幼さが残り
今まで見てきたどの人達よりも
澄んだ目をしている

「そうだけど・・・お姉さん誰?」

「キルアの知り合い」

「え!そうなの?今キルアは
トイレに行ってるよ!
もうすぐ帰ってくると思う!」

キルアの知り合いと口にしただけなのに
ぱぁっと明るい笑顔になる

ゴンの頬に手を添え
目を合わせるように持ち上げる

「わわっ!なに?!」

唇がくっつくんじゃないのかというくらいの
距離からゴン!!っと音が鳴り響くほどの
頭突きをした

「ったぁぁ!!!」

「あのねぇ!!!
イルミに兄弟の資格ないとか
言ったみたいだけど!
どれだけイルミがキルアを大切にしてるか
知ってるの!?
そりゃあ訓練とかはきつくしてると思うけど
イルミはものすっごくキルアの事大切にしてるんだから!!!」

額を押さえて少し涙目でこちらを
見上げるゴンに捲し立てる

「お姉さんはイルミが大切なんだね!」

たった今不意打ちで頭突きをされたのに
なんて笑顔でこちらを見るのか。
眩しい

「っ、そうだ、けど」

「友達なんか必要ないって言ってたから
友達なんているわけないと思ってたけど
お姉さんに大事に思われてるんだね!」

「・・・うん?」

友達ではない
恋人だ
でも12歳の男の子に違いなんてわからないのか

「イルミがキルアをどれだけ大切にしてるかは
分かんないけど……
俺にもキルアは大切な友達なんだ!
嫌な言い方をしてごめんなさい」

もっと突っかかってくると思っていたのに
素直すぎて吃驚したし好感が持てた

「うわ!おい!アラタ!!なんでいんだよ!」

吃驚した様子で辺りを見回す

「あ、キルア!久しぶりー!
ふふ、大丈夫!イルミはきてないよ!」

抱きつき頭を撫で回すと
「や、やめろよ!」と口では嫌がるが
抵抗しない所が可愛い

「お姉さんと仲良しなんだね!」

「そうよ!あたしはアラタって言うの!
よろしくね!」

「ちなみに、アラタは兄貴の恋人」

その言葉にキラキラした目は驚きで大きくなる

「えぇ!!友達だなんて言ってごめんなさい!」

「いいよ。気にしないで」

「それにしてもあんな兄貴の恋人だなんて
アラタは相当変だよな」

「ふふ、あたしはイルミが大好きなの
一緒にいて楽しいし」

吐く仕草をするキルアの頭を叩く

「じゃ、言いたい事は済んだから帰るね!
イルミとまた来るわ」

「兄貴なんか連れてくるな!」

「アラタさーん!またね!」

小さく手を振るキルアと大きく手を振るゴン
対照的な2人だったが
弟がいる1人増えたような気分だった

「もういいのかい?◆」

「うん、ゴンって素直で可愛いね
ヒソカが気に入るのもわかるし
イルミが危険視するのもわかるかな」

「クク、僕の青い果実だよ◆」

「わかってるよ。きもいな。
早く帰ろー!」

「・・・僕が運んであげるよ◇」

断る暇もなくお姫様抱っこで抱えられ
建物の上を走って行くのは
絶対に嫌がらせだ

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