H×H | ナノ


▼ 好きな貴方のためなら何にでも

ヒソカに案内された
会場は一番初めに闘いをする場所で
体格がいいだけであたしでも
勝てそうな人達だった

出ている人も見ている人も
嫌なヤジを飛ばす
そんな野蛮な会場に足を踏み入れれば
格好の的らしく
「おいおい綺麗な姉ちゃんが何してんだー?」
「1発ヤらせてくれよ!」
なんて下品な声が飛び交う

「ほんと、うるさい」

「僕がヤってきてあげようか?◆」

「これぐらいどうってことないから大丈夫。
それよりゴンってどれ?」


その時歓声が響いた
目を向けるとそこには
キルアがいた

「わ!キルアだー!」

いやー!可愛い!なんて叫んでいると
横から呆れたような声

「・・・君ってイルミに似てるよね」

「そう?ありがとう!髪型かな?」

「キルアが好きな所とかかな◆」

ふーんと相槌を打ちながら
会場を見渡していると
またもや歓声が聞こえた
その先にいたのは
黒髪でツンツン頭の少年

「あの子がゴンでしょ!」

「正解◆」

純粋でいい子そうに見えるけれど
イルミに言い放った言葉を思い出し苛立った
兄弟の資格がないなんて酷い言い方だ

あんなにもイルミはキルアを
大切にしているというのに

「アラタ・・・
ゴンに手を出さないでおくれよ◆
あれは僕の青い果実なんだから」

睨んでいると不穏な空気が漂っていたのか
周りを見るとそばにはヒソカ以外おらず
皆離れていっていた

「うん。大丈夫。
話するだけだもん。」

「ならよかった◆」

ほかの試合も観戦しながら
ヒソカにご馳走してもらった食事をとり
時間を潰していく

押し出しのゴンと手刀のキルアなんて
呼ばれ出した2人はもう今日の試合は終わりらしい

「じゃ、2人に会いに行こう!!」

ヒソカを引っ張り立ち上がる

「はいはい◆
君はイルミがいないとおてんば娘だな」

「そう?イルミがいても一緒だけどね」

ヒソカが立ち上がり
エスコートをするように手を出してきた

「いや、それはいい」

その手に触れることはなく歩き出す

「おや、冷たい◆そんな所はイルミにそっくりだ」


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