H×H | ナノ


▼ いざ、出陣

「うっわー!高い!!」

「991mだからね」

首が痛くなりそうなほど
高い建物を見上げる

「すごいすごい!」

初めて見る天空闘技場に
興奮しているあたしを横目に
イルミはどこかに電話している

「イルミ!あたしが出場したら
何階までいけるかなー?」

「念も使えるし200階はいけるんじゃない」

「うそ!出てみようかな!」

「アラタなんか出すわけないでしょ
他の男に目つけられるし」

「ですよねー。」

腕試しをしたいのは確かだが
イルミの意見に逆らってまで
出ようとは思えずそれ以上は言わないことにした

「やあ◆」

突然現れたメイクなしで
普通の服のヒソカが後ろに現れる
鳥肌が立ち素早くイルミの後ろに隠れる

「うっわ」

「遅いよ」

「ごめんごめん◆
メイク落とすのに時間かかってね
君がメイクを落としてこいって言うから◆」

「メイクしてたら目立つ」

「ねぇ。何でヒソカがいるの?」

イルミにコソコソと聞くと
ニヤリと嫌な笑みを浮かべるヒソカ

「今日1日は僕とデートだよ◆」

「俺が仕事だからね
ヒソカにボディガードを依頼した」

「えぇ!それならホテルで待つよ!」

「初めての場所は心配だからね
報酬は出すんだから変な事しないでよ?」

「わかってるよ
行こうか◆お姫様」

「やーだー!」

嫌がるあたしにお構い無しに
ヒソカはグイグイと手を引っ張る
イルミに助けを求めようとするが
ヒラヒラと手を振っていた

何だかんだヒソカの事を
信用しているのかもしれない


「大丈夫◆
君のご主人様は18時には
迎えに来るよ◆」

時計を見ると10時になったばかり

「あと8時間も変態と一緒とかやだ!!」

ククと笑う声に苛立ちそっぽを向く
空はこんなにもきれなのに
何でイルミじゃなくてヒソカなんかと
一緒にいなくちゃいけないのか
ふぅとため息が出る

「今日はキルアとゴンも試合に出るんだ
観戦してたらあっという間さ◆」

2人の名前を聞いて振り返る

「え!ゴン?!」

「ゴンを知っているのかい?」

少し驚いたように目をひらき
こちらをじぃっと見る

「話だけね。
あたしゴンと少し話がしたいの」

「ふーん。出来るんじゃないかな?
僕がいることは言っちゃだめだよ◆」

「わかった!
早く何か買って試合観にいこう!」

さっきとは反対にグイグイとヒソカの
腕を引っ張り入口へと向かうあたしに
クスクスと笑う声が聞こえてきたが無視をした

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