▼ それは愛か狂気か
眠るアラタの髪の毛を撫で
おでこにキスをする
宣言通り何回もアラタを抱き
気がつけばもう昼近くになっていた
シャワーを浴びようと
バスローブを着て
浴室へと向かう
クロロに抱かれようと
人を殺そうとアラタを離すつもりなんかない
あの男は父親じゃなかったのか
ミルキのやつまだまだ情報収集が甘いな
これで親類もいなくなったアラタは
頼れる者もいない
その事実に口角が上がる
それの表情の変化には
自分自身も驚いた
「あ。まだ男の方の一族がいるのか」
机に置いていた携帯を取り
電話をかける
ワンコールで出た声は少し慌てていた
[はい]
「ミルキ。アラタの父親の方の
一族の情報集めて」
[え!俺今日ゲームを...]
「あとアラタの父親は父親じゃなくて
叔父だったから。情報収集まだまだ甘いね。
これで一族の情報が漏れてたりしたら
部屋のフィギア達がどうなるかわかってるよね?
今すぐ集めて。期限は明後日までにしてあげる
キルアももう帰ってきたでしょ?
ゲームなんかしてる暇ないよね?」
[わ、わかったよ!
すくやるから!]
電話切り顎に手を当てる
あの一族の家系の男じゃないと
アラタの子どもは同じ体質にならない
願ってもないことだ
一生俺だけのものでいい
一族を始末してしまえば
アラタを追って来ないだろう
金にならない殺しはめんどくさいが
アラタを独りに出来るなら容易い
もう1度アラタの所に戻り
唇にキスをして今度こそ
浴室へと向かった
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