H×H | ナノ


▼  悪い恋人でごめんなさい

「アラタ落ち着いた?」

イルミの声にふと我に返る
気がつけばイルミが
お風呂に入れてくれていた
イルミに寄りかかっていた

「ここ、どこ?」

「飛行船」

洗ってくれた身体は返り血もなくなり
全て綺麗になっていた。

イルミはいつも通りの無表情
だけど優しく頭を撫でてくれる

クロロや父親だと思っていた男の事を
思い出すとポロポロと流れてくるのは涙
寄りかかっていた身体を離し
イルミに向き直る

「ごめ、なさっ
あた、しクロロとっ」

クロロに抱かれたの
人を殺したの
父親も母親ももういない
1人になった

「知ってる」

あぁ知ってるのか
捨てられる
本当に独りになる

水で濡れて頬に張り付い
髪の毛を耳にかけられる
その手にびくりと体が震えた

「捨てられるって思ってる?」

コテンと首を傾げるイルミを見て
こくりと頷く

「馬鹿なの?捨てるつもりなら
迎えに来ないし。
本当はクロロを殺したいほど
ムカつくけど蜘蛛には手を出すなって
親父に言われてるからさ。
ごめんね?」

「まだ、一緒にいてくれる、の?」

「当たり前でしょ。一生逃がさない」

イルミの顔が近づいて来る
目をつぶると唇が重なった

軽いものから舌を絡める
深いものへと変わっていく

「久しぶりだから我慢しないよ」

「う、ん。いっぱいシて」

噛み付く様にキスをされ
がぶがぶと噛まれる
所々にチクリと痛みがはしるのは
赤い跡を付けているのだろう

触れる手も唇も体温も
イルミだと気持ちがいい

お風呂場だということも忘れて
お互いを貪った

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