H×H | ナノ


▼ 僕のほしいもの

フィンクスについて
マンションを出る

「お前走れんのか?」

「走る?まぁ普通には」

質問の意図がわからず首を傾げる

「遅そうだな」

ふわっと体が浮き
気がつけばフィンクスに
横抱きにされていた

「喋ると舌噛むぞ」

「え?」

走り出すフィンクス
車なんかより速い
建物の上を走ったりと
本当に人間なの?なんて頭に浮かぶ。
怖すぎてフィンクスの首に手を回し
きつく抱きついた
怖がってる事に気がついたのか
あたしを抱える力が強まる
これで落とされる心配はないだろう

ショッピングモールに着いた時には
数十分ものすごい速さで走ったのに
汗一つかいていないフィンクスと違い
抱えられていただけなのに
もの凄い疲労感があった


「つ・・・つかれた・・・」

「お前は走ってねーだろうーが」

「う・・・」

「ゾルディックの奴もこんなもんだろ」

その言葉に出会った頃のイルミを思い出す
そういえば抱えられてものすごい速さで
走られてびっくりした

「あーそうかも。でも一回だけ。
後は車とか飛行船での移動が多かった」

「過保護だな」

「そうかなー」

話ながらショッピングモールを歩く

「あそこの服なんかどうだ?」

言われた方を見ると
露出が高い服が売ってるお店だった

「へぇーフィンクスは
そういうのが好みなんだー!
まぁ、確かに今日帰っていった
女の人もそんな感じだったよね」

「べ、別にそんなんじゃねーよ!!」

「あたしは着れるならなんでもいいよ」

「じゃあちょっと待っとけ。
盗ってくる」

聞き捨てならない言葉に
今にも行きそうなフィンクスの
ジャージを引っ張る

「待って!待って!」

「あ?」

「お金!お金あるから買うよ!」

「んなもん、盗ったらいいじゃねーか」

「ダメ!ほらほら!一緒にいこう!」

無理矢理フィンクスを連れ
お店に入る

ミニスカートやショーパン
これでもかというほど
肌を露出する服がいっぱい置いてある

「どれがいいと思う?」

「俺がわかるわけねーだろ」

なんでもいいやと適当に
Tシャツ、ショーパン
部屋着用にワンピースを購入した。

「そんだけでいいのか?」

「まーいけるでしょ」

「ん」

あたしから服を奪い
フィンクスも何着か
手に取りどさりと
レジに乱雑に服を置く

そのままジャージのポケットから
お金を出し支払いを済ませる

「え!あたし自分で払うのに」

「こんぐらい買ってやるよ」

「・・・ありがとう・・・お金持ってたんだ」

「俺のことなんだと思ってんだ
金に困ってねーよ」

「いや、さっき物騒な事言ってたから・・・」

「冗談だ冗談」

絶対嘘だ。あれは本気だったと
心の中で思いながら
店員から商品が入った袋を受け取る

店を出るとそれを自然な流れで
フィンクスが持ってくれた

優しさに笑顔になる

「フィンクスってやっぱり優しいね」

「あ?優しかねーよ」

ぶっきらぼうな言い方で
顔を背けるフィンクスの耳は赤くなっていた

帰りはまたフィンクスに抱えられ
疲れるのはこのあとだ

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