H×H | ナノ


▼ 緩やかにいま墜ちてゆく

何かされるのではと思ったのは
自意識過剰だったのかもしれない

そのままクロロは椅子に座り直し
本を読み始めた

部屋には本のページをめくる音がするだけ


窓がない部屋
携帯で時間を確認すると
気を失ってから二日後の夜だった

コンコンとノックの音が響く

「団長、食事よ」

いつかのパーティーで見た
綺麗なお姉さんだった

「あぁ、アラタ。食べろ」

お姉さんはベットに
座ったままのあたしの前に
食事を置いた

「あたしはパクノダ。
パクって呼んでちょうだい。
この前パーティーで会ったわね」

自然な仕草でベット腰掛け
そっと手を重ねられた

「・・・はい」

「本当は貴女に会うのは3回目なの」

「え?」

クスクスと笑うパク
クロロは黙ってあたし達の
やり取りをじっと見ているだけだ

「ところで、ゾルディックの彼氏とは
どうなの?一緒にいて楽しい?」

「え?楽しいです・・・けど」

「そう・・・」


あたしの手を握る力が
ほんの少しだけ強まった気がしたが
すぐに手を離す

「それじゃ、あたしは
これで失礼するわ。
団長、話があるの。いいかしら?」

「かまわない」

パタンと本を閉じパクについていく

残されたあたしは
渡された食事をもぐもぐと
食べるだけだった


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