君を応援するのが嫌だった。
「これ、月島くんに渡してくれませんか?」
初めて好きな子に話しかけられたのが、これ。
「うん、わかったよ。」
そう笑って受け取ったモノを、俺はツッキーに渡した。
ツッキーは嬉しそうではなかったけれど、嫌がることもなく受け取った。
「月島くんに渡してくれてありがとうございました!」
後日その子に言われた。
なんで知ってるのか聞けば、ツッキーから連絡が来たって。
渡したモノの中と一緒に連絡先を書いた紙を入れておいたんだって。
ふぅん。
その子はまた俺のところに来た。
「今度はこれを渡して下さい」って。
それをツッキーに渡して、またお礼を言われる。
その繰り返し。
「これ……月島くんに……。」
その日、その子が持ってきたのは手紙だった。
きっとそれはラブレター。
なんで自分で渡さないんだろう。
モヤモヤとした感情が、俺の心に渦を巻く。
「うん、わかった。」
俺が笑ってそう言えば、その子の表情が明るくなる。
よろしくお願いしますと頭を下げられる。
……さて、俺はいつまでいい奴しようか。
俺はいつか君を裏切る