おはよう
<あまつき8巻より>
『篠ノ女くん!大変なの!六合くんが…』
『お前誰だ?何で俺の名前知って…』
『え?』
名前も知らない女の顔が脳裏に焼き付く。いかにも頭が真っ白です!っつー顔をしていた。でも、その後、
『あ…そっか、篠ノ女くんは…』
と言って困った表情を浮かべながら笑った。でも、その目はうるうるしていて今にも涙が零れそうだった。
『露草くん捜さなくっちゃ…』
女は呟くようにそう言って俺に背を向け、林の中に消えていった。
なんだよ、どいつもこいつも…!俺が何を忘れたって言うんだよ!六合鴇々といい露草っつー生意気なガキといい!
無性に腹が立つが苛々してても何も解決しない。俺は、がーっと頭をかき取り敢えず社に戻った。
(この胸に引っかかるモノは何だ)
おはようは、まだ遠い
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