「ギィヤァァァァ!まじ痛い!痛いですって!まじで!!」
「気持ち良いの間違いじゃない?」
「絶対ちがァァァァァ!!うおぉぉぉぉぉぉ!」
「もっと女らしい声、出せないの?」
ぬぅああああああ!!と変な雄叫びを上げるなまえの肩のツボ(って言っても地球人のツボなんて知らないけど)をぐりぐりと押しながらケラケラと笑う。ホントこの子は飽きないなァ。
「ちょ、まじ勘弁してくだぁあああぅおおおお!!」
「え?もっとして下さい?」
「今すぐ耳鼻科行けぇぇぇぇえ゛」
「団長、そこらへんにしといてやれ。なまえの声が渇れかかってる」
阿伏兎の呆れを含んだ制止の言葉に、邪魔しないでよと笑顔で返し、今度は抉るようになまえのツボをぐりぐりと押した。なまえは声無き声で叫び、悶え、悲しい効果音が入りそうなくらい芸術的な最期を迎えた。(死んでないけどね)
「あぁあ。気絶しちゃった。そんなに俺の手が気持ち良かったのかなぁ」
え?その言い方、卑猥に聞こえるって?失礼しちゃうなァ。ま、別にいいけど。あー早くなまえ起きないかな?
つんつんと気絶したなまえの弾力のある頬をつつきながら、暇潰しに阿伏兎に話掛けた。
「ねぇ、阿伏兎」
「何だ?」
「なまえって可愛いと思う?」
「は…?…まっまあ、娘っ子にしちゃあ人並みにだがー…」
「だよね。強くもなけりゃあ顔も普通。ましてや良い遺伝子を持っている訳でもない…」
「ど、どうしたんだよ…団長」
「でも何でなまえをいじると気持ちが高ぶるんだろう?何で俺以外の奴と喋ってると凄くイライラしちゃうんだろ?こんな気持ち初めてだからよく分かんないや」
「(オイオイ、そりゃあ…)」
もしかして初恋?
「…はっ!今何とも言えぬ寒気が!!」
「あ、やっと起きた?次何する?リアル黒ひげや「嫌です!つかいい加減仕事しろ!アホ毛団ちょ……あ、」」
「…アホ毛団長?誰それ」
「えっいや、口がすべ…いやいや違います!違いますよ!間違えたというか何と言うかホントちが……ヒギャアアアア」
「(…こりゃあ、なまえの未来は真っ暗闇だな。ご愁傷様)」
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