「……す…の…高杉殿!着きましたよ!」
「…あぁ」
どうやら寝ていたらしい。
俺は隻眼の目をゆっくりと開いた。座ったまま寝ていたせいで首と腰が痛い。
首をゆるりと回しながら、ふと片手に違和感を感じた。目を右手に向ければ、“あの時”の釵が右手で握られていた。
…これを握っていたせいであんな不可思議な夢を見ちまったのか。
しかし半分以上…、
×
「銀さん朝ですよ!」
「…っせェ、」
「…神楽ちゃん」
「ぐあはっ!ギブギブ!起きる!起きる!だから離せェ!」
新八の命で神楽にプロレス技を繰り出されながら、ギブギブと枕を叩く。新八が神楽にもう良いよと止めに入るまで、三途の川が見えた気がした。
神楽の凶器的な技のせいで、すっかり覚めた頭で今朝見た夢を思い返す。
ちっ!ほぼ…、
×
けたたましく鳴り響く目覚まし時計で目を覚ました私は、早速布団から起き上がり朝食の準備を始めた。そして朝食を作りながら、今朝の夢を思い出した。
今朝の夢はとても変な夢だった。
晋助が何故か万事屋を営んでいて、しかも銀時の着物を着ていた。銀時に至っては、髪は金髪でホストだったし……。
本当、とても変な夢。
でも、とっても…、
((胸くそ悪ィ))
(良い)
夢だったおわり