万事屋晋ちゃん
古びたアルバム番外編
金魂設定。



突然、万事屋のインターホンが鳴り響いた。そして、こんにちはと響く女の声。

「私が出るっス」

また子はそう言うと、セーラー服を靡かせながら玄関まで向かった。

「ここ万事屋晋ちゃんですよね?」

女の透き通る声が、居間まで届く。その声に何故か体が反応した俺は、足早と玄関まで向かった。

そこには、浅黄色の着物を着た女と困った表情を浮かべるまた子が居た。また子にどうしたと尋ねれば、渋い顔で小さく唸りながら口を開けた。

「それが…」

「なくしてしまった銀釵を探して欲しいんです」

「ほう」

俺は懐に片手を突っ込みながら、面白そうだと口角を上げる。

「だから言ってるじゃないっスか!万事屋晋ちゃんは危ない依頼しか受けないって」

「まあ、待てまた子。丁度暇してたんだ。アンタのその依頼に付き合ってやらァ」

「晋助様?!」

驚くまた子に落ち着けと片手を上げながら、目の前の女を見下ろす。どうせ何も依頼は入ってねぇし、何もする事がねェ。唯の暇潰しとして依頼人に付き合う事にした。

「本当ですか?ありがとうございます」

ぱあぁっと笑顔を浮かべる女に何か懐かしい気持ちが沸き上がったが、邪念を振り払い出かけるためにいつものブーツに足を入れた。

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