古びたアルバム番外編
…何で、あそこで止めなかったんだろう。
暑い夏空の下、俺は立ち尽くした。
「あら、銀時じゃない」
涼しい声が聞こえた。
「いやー、わりィわりィ!パフェなんて奢らしっちまってさ!でも、ホント助かったよ!」
涼しい店内でチョコレートパフェを頬張りながら、なまえに感謝の意を示しす。
「いい加減、パチンコとか博打とか止めなさい。新八君や神楽ちゃんに碌に給料も渡せてないのに」
「いや、今日は当たる気がしたんだよ」
「でも、現に負けてるじゃない。悪循環よ、ソレ」
「わーってるよ、んな事ァ。でもジャンプと一緒でやめられねェんだよ。……そういやあ、今日は仕事ねェの?」
「えぇ。今日は休みで暇だったから小太郎達にお昼ご飯作って来たの」
なまえはへらりと微笑み、また銀時達にも作りに行くわねと頬に手を当てた。
「相変わらずだな」
「ありがとう」
その後も、なまえと他愛のない話を続けた。
「さて、ここいらで解散すっか」
「そうね」
「じゃあ、会計は宜しく!」
「はいはい」
会計に向かったなまえを外で待つことにした。外は既に茜色になっていて、烏が二、三羽飛んでる。俺は、そんな景色を見上げた。
「お待たせ」
「あぁ」
「もう、パフェ食べ過ぎよ。一気に三つも食べるなんて体に悪いわ」
「おめーは、俺の母ちゃんか」
「お母さんじゃなくても言うわよ」
なまえの涼しい声を聞きながら、また空を見上げる。
「いきなり冷たいもの食べたんだし、お腹壊さないように気を付けなさいよ」
「へいへい」
「ったく、ちゃんと聞いてんだか…」
二人肩を並べて歩く。恋人同士でもなければ、親子でもない。だけど、二人にとっては
隣同士がいちばん自然Thanks:確かに恋だった