「あー良い天気だなあ」


空は雲ひとつない快晴


「(今日もあっくん来るのかなー)」


ーーーー………


「どうしたの、この子」

放課後のチャイムが鳴って教室に戻ったら、うぅ…と泣きべそをかきながら佐藤に慰められているなまえが居た。

「平介はずるいよ!」

「え、俺なにかしたっけ?」

何もしてないと思うんだけどなあ。でも何だかデジャヴな感じだ。ぽわわんと脳内に、ある一年生のしかめっ面が浮かぶ。

「お前はサボってたから知らないだろうけど、このバカ、6限目の数学の授業中に居眠りしてて先生からゲンコツ食らったんだよ」

しかも寝ぼけて数学の先生をお父さんと間違えるし、ホントあほだろと呆れながらため息をつく鈴木。

「あはは、それは可哀想に」

と笑った俺を現在進行形でなまえが睨んでくる。俺じゃなく鈴木を睨んでおくれ。

「何でサボってた平介は良くて寝ちゃった私はだめなんですか!佐藤くん!」

「え、俺?んー、平介は日頃の行いが悪いからかな」

授業をサボるし、先生たちは平介の事どうでもいいと思ってるんじゃない?と彼は爽やかな笑顔で中々トゲのある事を言う。

「なるほど!」

「いや、ひどくない?」

納得しちゃだめだよ。

「そろそろ帰るぞ」

鈴木は鞄を片手に早くしろと急かす。

「帰りモスバに寄って良い?」

「いいね、ていうかなまえ立ち直りが早いねー」

「久しぶりにオニオンポテト食べたいなあ」