「皆で授業をサボタージュしよーぜ!」

一時間目が終わると同時に、三人に提案すると珍しく三人ともが同意した。鈴木絶対断ると思ってたのに。明日、槍でも降りそうだな…。


ーーー……


「将来どうなってんのかねー」

屋上で四人で座り込み、柵の向こうを眺めながら私はそうぽつりと洩らした。

「急にどうしたの」

「いや、高校卒業したら私らバラバラじゃん?皆どうなんのかなって」

「俺はお菓子作って食べて気ままに生きてたいなぁ」

平介は後ろ手でもたれながらのんびりとした声で答えた。

「パティシエとかいいじゃん」

「うーん。それでも良いんだけど、何か決断力に欠けるんだよねぇ」

微妙そうな顔で空を見上げる平介を見て、なんじゃそりゃと突っ込んだ。特技とか趣味があるんだから活かせばいいのに。勿体無い。
今だにぼんやりと空を見上げる平介から、視線を鈴木に移すと、奴は携帯をいじっていた。

「鈴木はあれだよね。婚期逃して永遠の独身になってそうだよね」

「それはお前な」

「んだとこら!」

携帯をいじりながらそう返してきた鈴木に連続腕パンを食らわせていたら、佐藤が、案外鈴木が一番早いかもよと言って笑った。

「「「いや、一番早いの絶対佐藤だよ!」」」

「え、なんで?!」

「家大家族じゃん」

「元ヤンだし」

「オカンだし」

「全部関係なくね?!」

「手、早そう」

「なまえひどいっ!」

何なの皆してーと泣きべそをかく佐藤の肩を慰めるように叩きながら、ごめーんと笑った。


「大人になってもこうして皆で集まりたいねー」

そうだねぇ。まあな。うん。と三人それぞれに応えた。何だか嬉しくてニマニマしていると鈴木にキモいと言われた。

「てか次、体育じゃん」

「俺は2ラウンド目するからよろしくね」

「平介は卒業出来るといいな」

「ホントだね」

「じゃあ私ら先に教室戻ってるからね」

「んー」



未来でもよろしく

おわり