夢うつつ | ナノ

彼を越す名言は?

「え…と、ん?」


思考が停止して上手く反応出来ない。
拾うって何を?私は犬か猫ですか。それに銀さん家、金無いだろ。只でさえ使えない眼鏡と大食い娘とでっかい犬を飼っているというのに。
いや、内心嬉しいですよ。嬉しすぎて空も翔べそうな気がするけど、やっぱ常識的な事を考えると迷惑は掛けられない。でも断る勇気なんて私にはない。だって怖い思いしたくないもの。無一文で家もない頼る人もいないこんなピチピチの女子高生が町を徘徊するなんて危険極まりないもの。


暫く自分の心と葛藤していると、銀さんが私の頭をぽんぽんと叩いた。

「ややこしい考えなんて捨てちまえ。テメーの気持ちに素直になれば良いさ」

その言葉が、私の心にぐっと効た。流石名言を言う男、坂田銀時だ。


私は拳をぎゅっと握り、大きく深呼吸をすると、

「不束者ですが、宜しくお願いします」

お辞儀した。



Q、彼を越す名言は?

A、ありません!

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