虚しくなんて?
華子ちゃんがやって来て一週間が経った。
「うわあ!華子さんって裁縫も出来るんですね!」
私も出来ますけど。一応。
「華子、おめぇクッキーも作れんのか!」
私も作れますけど。一応。
「なまえ、頑張れ」
神楽ちゃん、アル語抜きでそう言われるとぐさっとくるから止めてくれ。泣きたくなるから!
「……、」
定春くんの隣で三角座り(体育座り)をしながら華子ちゃんが作ったクッキーをポリポリ食し項垂れた。…クッキーうめぇ。心に染みるよ。泣きたくなるよ。なんて思いながら溜め息を一つ溢し、美味しそうにクッキーを食べる皆を眺めた。華子ちゃんはすっかり万事屋に溶け込んでいる。…私はというと、華子ちゃんが来て3日経ったぐらいから定春くんの隣で三角座りをして、しょぼくれている。時々、定春くんにまたかよ的な態度を取られるが、気付かないふりして定春くんの隣を陣取っている。
私はもう一度定春くんの隣で大きなため息をつくと、そっと立ち上がって万事屋を出た。出る時銀さんが、何処行くんだ?って聞いてきたけど聞かなかったふりをした。……今は誰とも喋りたくない。
Q、虚しくなんて?
A、ないもん!…何て嘘です。
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