髪を弄られる感覚に薄く目を開く。隣で寝ていた恋人の日に焼けた顔を、ぼんやりとしながら眺めていると、額に口付けられた。
「おはよう」
まだ起きるには早い時間やで。 ちらりと時計を見た後、うつらうつらしている私を見て、おいで、と朝特有の少し掠れた声が言う。少し離れていた隙間から入っていていたひんやりとした空気を外に出すように、もぞもぞとアントーニョの腕の中に入る。素肌が触れあって暖かい。なんだか急激に眠気が襲ってきた。
「眠いん?」 「……ん、」 「さよか。おやすみ」
アントーニョの肌に擦り寄り、瞼を閉じる。大きな手が頭を撫でて、昔よく歌っていた子守唄が耳をくすぐって。布団と恋人の暖かさに、意識は一息にさらわれていった。
─ふわりふわり─
2011.09.29 くっつくの日!
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