「ギルベルト、すきだよ」 「ぶッ!!」
飲んでいたコーヒー牛乳が勢いよく噴射されて、汚い、という苦情が隣のフランシスから聞こえてきた。そんな運悪く若干かかってしまった友人とは違い、目の前にいた原因となる言葉を発した本人は、丁度よく鞄(よく見ると、俺のものに似ている)で防御していたらしく、一滴もかかることなく楽しそうに笑っていて。
「何その反応!冗談に決まってんじゃん!まじぷげらぁ!!」
あと鞄ありがと! けらけらと笑うなまえに鞄を差し出されて盛大に突っ込む。 俺のじゃねえかこれ!何汚してんだよ!いや、汚したの俺だけど何してんだお前!!
「だってギルの唾液がつくんだもん」 「なんだよ唾液って!」
なに言ってんだこいつ。そんな顔をしたなまえが、少しだけ考えるそぶりを見せたあと自分で納得したようにうんうんと頷き、キリリとした顔で口を開いた。
「ギル、唾液っていうのは、消化液の一種で…」 「ちっげーよ!!唾液の意味は知ってんだよ!おま、からかってんのか!嫌いになんぞ!」
えっ、 なんともいえない微妙な表情で動きを止めたなまえににやけながら顔を近づける。
「ぷっすー!!なんだよその顔!嘘に決まってんだろ、大好きだっつーの!!」 「ばーかばーか知ってるっつの!あたしがどんだけギルのこと好きだと思ってんのよ!」
けらけらと笑いあって昼食を再開する俺たちの隣で、友人たちが妙な表情をしていることが少しだけ疑問ではあったが、特に気にすることもなくいつもどおりの日常に彼らを巻き込むべく、手にしたパンにかぶりついた。
─ばーか、すきだよ─
(フランシス、なんであいつら付き合わへんの?そろそろお互い気づいてもおかしないやんか) (ほら、2人とも鈍感だから…)
2011.06.12
メモからちょろっと抜粋。 周りが、早く付き合えよ!とか思っちゃうくらいにらぶらぶな2人組って萌える
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