いつものように、終電に間に合うように帰ろうとするなまえと軽いキスを交わしていると、珍しく首に腕をまわされた。 熱っぽい瞳が媚びるようにこちらを見ていて、つい意地悪をしてみたくなる。
「何だよ?」 「…もっとやらしいキス、して」
言っているうちに恥ずかしくなったのか、真っ赤な顔が近づいてきて、ぺろりと唇を舐められる。 誘われるままに唇を開き、おずおずと入り込んでくるなまえの舌を吸い、絡め合わせて。今度はこちらから相手の口内をくまなく舐めてやる。 舌、歯列、上顎。どこを舐めても鼻にかかった声を漏らすなまえを壁に押し付けて腿の間に脚をいれる。スイッチが入ってしまった。多分、今夜は帰せそうにないだろう。 最後に下唇を軽く食んで顔を離す。ここから先に進むには、場所を移動するのが得策だ。
「ん、は…ねえ、ロヴィーノ」 「今更帰りたいなんて言うんじゃねーぞ」 「えー、なにそれ。っていうか、むしろ、今日、帰りたくない、かも」
でも腰痛めちゃうかな。 苦笑しながら紡がれた言葉に、さあな、とだけ返して、欲に負けた恋人同士はベッドルームへと歩きだした。
―誘惑上手―
(…、?…!!ロ、ロヴィーノ!今日平日だった!!) (そうだけど、何かあんのかよ?) (今日必修あるんだよ!)
2011.05.25 一昨日のキスの日ネタ。大学生設定。
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