それは粋な友人の計らい






ぴんぽーん…ぴんぽん、ぴんぽんぴんぽんぴんぽん

「っだああああ誰だよこんな時間に!!」
「ギル!やばい、やばいギル、どうしようやばい」

今すんごいセックスしたい。
いきなり恋人の家に来ておいて、爆弾発言をぶちかました彼女に、とりあえず落ち着け、と声をかけて玄関に入れる。

「うおあああ何してんだよ!」
「ほんとに切羽詰まってるの…!」

熱い体が中心に押し付けられて、自分でもズボンがきつくなっていくのがわかった。
決して節操がないわけではなくて、これは自然の摂理なんだと誰かに言い訳をしながらスカートに手を入れて。
首に腕を絡ませてキスをせがむなまえと舌を絡ませ合いながら、徐々に上へと手をずらす。
ストッキングにまで伝わる濡れた感覚に、ストッキングに爪を立てて開けた穴から下着へと指を進入させる。
――こんな状態で歩いてくるとか、すげえなこいつ。Mの才能あんじゃねえの。
これからするであろうあんなプレイやこんなプレイを妄想していると、蠢きつづけていた右手になまえの手が添えられて。

「っぁ、動か、しちゃだめ…っ」
「あ?自分で動かしてんだろ」

俺様の指が気持ちいいのはわかるけど、お前今すげえエロいことしてんぜ。
耳元で笑うだけで指が締め付けられて、さらに動きが激しくなっていく。

「あ、あ…っきもちいい、ギル、」

きもちいいよ、うわ言のように言って昇りつめようとしたなまえの手(正確には俺の手だ)の動きをぴたりと止めてみる。
案の定睨んでくるなまえの視線を受け流しながらベルトを外すと、音でわかったらしいなまえが履いているものを脱いで。
壁に手をついた姿勢で甘ったるくねだる。

「いれて、よ、おねが…っぅあ!?」
「はっ、実を言うとよ、エロすぎてやばかったんだよな、っと!」

がん、と強く突き上げると同時に強く締め付ける膣内を乱暴に突く。
服が汗を吸って気持ち悪かったが、今はそれさえも興奮の材料と化していた。

「あっ、あっん、ぎる、いく…ッ」
「俺様、はまだまだなんだけど、いいや、一回イけ」
「んんッ!!」

肉芽を爪でかりかりとひっかくと、千切れるかと思うほどに締め付けられて。
余韻でまだ収縮している膣内をかき回す。イったばかりが辛いのは理解しているつもりだが、このままだと俺が辛い。

「っや、あぁぁあ!いってる、いってるのに…!」

いやいや、と首を振るなまえの耳元に口を寄せて囁く。
お前、俺様のこといつも何て罵ってたよ?
笑いを含んだ問いに、泣き声が返事をする。

「ぜ、つりん、やろう…っ」
「正解だ。で、どういうことかわかる、よな?」
「お、かしくなるって…っや、またいく、っ!」

連続の絶頂で自力で壁に手をつけなくなったなまえを床に押し倒しながら、今日は何発で解放しようかと少しだけ真面目に考えてみた。




―それは粋な友人の計らい―


(もうやだフランシスぶっ殺す薬なんて飲むんじゃなかった)




2011.04.08

ぬるめ。相変わらず裏がへたくそな夕凪である

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