「ねぇ、」
私思ったんだけど。 食事中、ふと思いついたように手を動かす彼女の手元には、じゃがいもとヴルスト。
何か旨い食い方を見つけたのか、 そう言いかけた俺の目の前で、あり得ないことが起きた。
「見てよこれ!」
ずい、と突き出されたそれは、食事中にはとても言えないような形状をしていて。 あまりのことに頭を抱えてしまう。 でも、こちらの気持ちを全くわかっていない彼女は、ものすごく爽やかな笑顔を向けてくるわけで。
「どう?芸術的だと思わな」 「俺は思わんぞ」 「え、」
心底意外だった、という顔はやめてほしい。 あんなものを食事中に見せられて喜ぶ奴はいないだろうし、ましてやこちらは男なのだから。
「だって、ルートんちはこういうの大好きな人が多いんでしょ?」 「あ?」
菊が言ってたわ。 全く悪びれる様子のない彼女の裏には仲間である奴がいることを知って、更に頭痛が酷くなった。
─あながち間違ってはいないけれど─
(俺は、そういう趣味はない) (でもルートはドSだし…)
2009.11.16 修正
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