まるで水飴のように


これの続き。






私は確かに楽しいことも気持ちいいことも好きだ。むしろ大好きだと声を大にして言えるレベルではあるけれども。

「どうしてこうなった…」

煌々とついた部屋の明かり。ベッドサイドの椅子に座るのは、笑顔のフランシス。
そして私はベッドの上でM字開脚ときた。

「なまえが誕生日プレゼントくれるって言ったんだよ?」

だから、してくれるよね?
何でもするなんて言った記憶はないけれど、こんな状況になったらもう逃げられないことは分かっている。

「ほら、」

なまえの好きなようにやってごらん。
口調は優しい。でも目が本気だ。
言うことを聞かないと、もっと恥ずかしいことになるに違いない。
震える手でカーディガンのボタンを外し、スカートを捲り上げる。こんな恥ずかしいことは、さっさと済ませればいい。

「お、さっそく下触っちゃう?」
「うる、さいよ」

下着の上から、ゆっくりと割れ目を擦る。いつも触ってくる繊細な指を思い出しながら、徐々に水分を帯び始めた箇所をぐりぐりと弄る。

「そろそろ脱がないと汚れちゃうかもよ」
「……ん、っ」

言われるままに下着に手をかける。離れる瞬間のひんやりした感覚に、僅かに声が漏れた。悔しい。

「まだ指入れちゃだめだよ。ゆーっくりクリトリスを触って」
「…っは、い」

ぬるつく液体を指にとり、充血しているである肉芽に塗り込める。ぬるりと滑る感覚に、脳が痺れる。
指示通りに敏感な箇所を転がす度に、くちゅ、なんて音がするものだから。おかしくなってしまいそうになる。

「ふ、ぅん、あ、」
「きもちいい?」

こくこくと頷くと、もっと激しく弄っていいよ、と掠れた声が許可をくれた。
ぬるつく指が、まるで自分のものでないようにめちゃくちゃに肉芽を弄くる。

「なまえ、そこ好きだもんね」
「っん、すき、すきっ…!」

じっくりと見てくる彼と、指を動かす度くちゅくちゅと部屋に響く音が余計に興奮を煽る。
瞼を閉じて、恋人の触り方を思い出しながら自分自身を責め立てる。脳内でも彼はいじわるで、決定的な刺激をくれない。

「あっ、あ、ふらん、やだぁ」

いきたいの。
ゆらゆらと腰を揺らし、彼が唾を呑んだのを確認して脚をさらに開く。
見せ付けるように指を埋め込み、もう一度腰を揺らしてみせる。
内側を重点的に擦りながら抜き差しする。一度気持ち良いと思ってしまえば、昇り詰めるのなんて簡単なことで。

「っあ、見ちゃ、だめ、っいく、いく、や、あぁぁ…っ!」

びく、と体が跳ねる。力を抜きながら大きく息を吐いて、恋人に視線を送って。笑んでみせる。

「…ね、いれて?」
「ほんと、なまえには負けるよ」

じゃあ、遠慮なく。
手元のリモコンで蛍光灯を消し、ベルトを外した彼が覆いかぶさってくる。
相変わらずの甘ったるい口づけを交わし、スタンドライトを暗くして。せめてもの仕返しに、と、真っ白い首筋に噛み付いてやった。




―まるで水飴のように―

(甘い君をいただきます)




2014.03.20

拍手で続きが見たいとのお声があったので。


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