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シャーナの理由
少女は、聖騎士団の中でも、最も優秀な白薔薇騎士団の一員でした。しかし、彼女は、騎士団を抜けました。否、抜けたと見せかけたのです。
少女は、少年のところへ行き、言いました。
仕えさせて欲しい、と。
少年は快諾しました。少年は、同郷で、共に剣を学んだ、最も信頼できる少女と共にいることができることを喜びました。しかし、少女は少年を騙していたのです。
ある日、少女は少年を森に連れ出しました。少年は、少女のことを信頼していましたし、二人とも腕の立つ剣士でした。少年は、部下の一人も連れて行きませんでした。しかし、それは少女の罠だったのです。
森の茂みから、次々と襲い掛かってくる白薔薇騎士団に、少年は少女に騙されていたことを知りました。
少年は怒りました。少年にとって、少女は唯一の信頼できる人間でした。少年は白薔薇騎士団を自らの手で滅ぼすと、少女を甚振った挙句に、生きたまま捕えました。それから、少年は少女を傷つけ続けました。
少女は少年に殺されることを望みました。しかし、少年はそれを鼻で笑いました。毎日、監禁した少女を甚振ることを、日々の楽しみにしていました。
しかし、少年は殺されました。忠臣と呼ばれる部下から。そして、少女も殺されました。少年を殺した男の手で、殺されてしまったのです。
神は、少年を裏切った忠臣を褒め称え、王としました。そして、王と自分を守る身分制度を築き上げていきました。第二のセフィリス・サラヴァンが生まれないように、という願いを篭めて、一番下の階級を、セフィリス・サラヴァンのSを取って、シャーナと名づけました。