天使の宴(シュウ視点)

外伝


 近くの村で、少し遊んだ後、気だるい体でのんびりと森を歩く。薄暗い空に、まだ寝ているだろう、と思いつつ戻ると、そこには、思わず思考が固まるような構図があった。
 何故、手前ら川の字で寝ている?
 問題は、気持ち微笑みながら、眠っている女魔術師である。
 年下と雖も、男と言っても大丈夫そうな年なのに良いのか。魔術駆使して貞操守りぬいた牢獄生活は何だったのか。
 訊きたいことは山ほどあるが、こういうことに無頓着だということで、全てが片付く。男を信頼し過ぎなのだ。この女は。
 誰だよ、こいつが気難しいとか言った奴。気難しいの「き」の文字もねーじゃねーか。
 ドラゴンはいるし、何故か天使に抱きついているし、リーファは二人から少し離れたところにいる。何かがあったとは思えないが、何か苛立たしい。
 しかも、こちらをこんなに驚かせておいて、安眠とは良い度胸だ。
 頭の中で、色々とツッコミを入れてから、俺は溜息を吐いた。
 とりあえず、本当にわけの分からない女だ。

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -