偉大なる神への反逆の後(ビアンカ視点)

外伝


 神への反逆者。
 リーファ・シャーナ・シュライゼを、そのリストに記載するかどうかで、僕は大いに悩んだ。
 神への反逆者が、必ずしも悪い人間なのだろうか。
 彼女を見て、そう思った。
 際立って優しくて、素直な人間ではない。そうかと言って、非情で欲に塗れているわけではない。
 彼女はあまりにも普通だった。
 しかし、彼女は二人の反逆者と共にいた。さらに、そのうちの一人は、世界で最も危険な男だ。憎しみと血の渇望だけで動く、人間を超え、人間に至らぬ人間なのだ。
 だが、彼女は彼に屈してはいなかった。対等だった。
 普通の人間なのに関わらず、普通の人間では絶対にできないことをする。そして、悪い人間ではないのに、神へ反逆する。
 リーファ・シャーナ・シュライゼ。
 その名の意味は世界。
 全ての人間が、特定の一部しか見ることができないもの。決して理解ができないもの。
 僕は、溜息を吐き、ペンを置いた。

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