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白亜の宮殿
用意された部屋は、向こうが何を思ったのかシュウと同じだった。いつも雑魚寝ではあるが、嫌な気分はする。何故だろうか。とりあえず、リーファは自分に否がないことは分かっている。
しかし、そんなシュウとは特に何も話さぬまま、レナーサに呼ばれ、彼女の部屋に行くことになった。シュウは部屋のベッドで横になっていた。暫くは大人しくしていてくれるらしい。
「リーファ」
部屋から出ようとした時、名前を呼ばれる。
「まだお前の仕事は終わっちゃいねーからな」
振り返れば、いつもの人の悪い笑み。
「分かってるよ」
リーファは、自分が何をするのかは全く分からなかった。リーファの役割は、身分制度をぶち壊すのを手伝うということであって、彼の暴走、つまり大量殺戮などに荷担することではない。
「これからだろう」
協力するのも止めるのも、これからが勝負だ。
リーファがさらりと言うと、シュウはさらに笑みを深めた。そして、そのまま部屋を後にする。
案内役の騎士二人に連れていかれた部屋は、温かみのある白に覆われた品の良い一室だった。その部屋には、大きな椅子があり、レナーサは、そこに腰掛けていた。
「下がって下さい」
リーファを連れてきた騎士に、レナーサは優しく微笑む。渋りつつも立ち去る騎士の背中が遠ざかるのを確認してから、レナーサは扉を閉めた。