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階段の無い国


 リーファは驚いていた。
 異国風の出で立ちをするだけで、人がこちらを見る目や態度はまるで違う。シャーナは、町を歩くだけでも避けられ、意味もなく蹴られ、殴られる。しかし、異国風の装いだけで、それは一変する。
 奇異な者を見る視線以外は、全く何もない。リーファは、いかに身分制度が表面的なものなのかを再確認した。
「どうした?」
 へー、と思いながら歩いていると、シュウがそれを不審に思ったのか、そう尋ねた。
「いや、道歩いていても、蹴られたり殴られたりしないな、と思ってね」
「お前だったら、やり返すだろう」
「一般人には魔法を使わない主義だ」
 何故かシュウは、目を細めた。リーファが理由を尋ねても、さあな、と答えるだけだった。



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