一部〜二部(シュウ視点)
外伝
リーファ、お前は一体どこにいる?
分かっている。生きている可能性なんて限りなく零に近い。それでも、探し続けないといけない。生きている可能性が零ではない以上。
知ってしまった以上、責任がある。呼び起こすようなことを言ってしまった以上、責任がある。乗り越えるのは、リーファの仕事だ。でも、放っておくわけにはいかない。
危険なのだ。前世と性が違うということは。さらに、覇王の影響がどんなものなのか、はっきりと分からない。
リーファの精神は強い、とシュウは思っている。それでも、限界がある。輪廻の力を超越するような「想い」を持っている魂。
セフィリス・サラヴァンは死んだ。それは正しい。だが、魂は死んでいない。生き続けている。
ただでさえ、生きていくことの難しいシャーナの魔術師。静かに生きることなど、認められない身分に生まれ、それか確固たるものになってしまった。リーファが生きているとしても、幸せに生活できるはずがない。それは、シュウが一番良く理解している。
世界の理に逆らうとは、そういうことなのだ。
リーファとは話し合わないといけない。どういう風に生きていくか。どういう風に、考えていくか。もし、リーファが冷静に話をする余裕がないのなら、待てば良い。強要できないことを一番良く知っているのは、シュウだ。
たとえ、死んでいたとしても、探し続ける。生きている可能性が、零にならない限り。