爛
ある日俺は気に入った小説の話をした
そうしたら君は興味津々で聞いてくれて、嬉しくて語る口調もいつの間にか変わっていた
所々で楽しそうに笑ってくれたり哀しそうにしたり、内容に感情移入してくれるのがまた嬉しかった
俺の話が終わると次は君が自分の好きな小説の話をした
その内容は悲しかった
だけど君が読み取る主人公の気持ちを聞くと“悲しい”というより“嬉しい”という全く対な気持ちだった
俺にはどうしてもそれが読み取れなくて何度も話を聞いた
そしたらいつの間にか俺もその小説が好きになっていた
読んだことも無いのに不思議だった
いつの間にかその小説の話を良くするようになっていて主人公の気持ちも解っていった
それと同時にこの主人公が君に見えてきた
いつも爛漫な笑顔の君と
笑顔爛漫主人公
(百花繚乱の君)
*end*
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