ふたりで夜の道を歩いた

歩いてたら不意に手が触れてそのまま手を繋ぐと栄口はびっくりしたように此方を向いた


「栄口の手が冷たかったから」

「慎吾さんこそ」


そのまま無言で歩いてた

気が付けばけっこう遠くまで来ていて近くにあったベンチに腰掛けた


「寒くない?」

「平気です」

とか言って、ほんとは寒いくせに

顔が真っ赤


「ごめんね、ここまで連れてきて」

「慎吾さんが元気無いから」

「え?」

「慎吾さんが元気無いからここまで付いてきちゃいました」


“付いてきた”って

連れてきてのは俺なのに



「好き」

気が付けばそう言ってた


だってそんな優しいところ見せられたら押さえられないよ・・・



意識の好き

(そしたら君も微笑みながら好きって言った)


*end*



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