手
「っ・・・!」
朝目を覚ますといつもと同じ天井が視界に入った
無意識に伸ばされた手
また・・あの夢・・・
慎吾さんと同居するようになってから見るようになった夢
俺の前からいなくなってしまう夢
「栄口、どうした?」
「あ・・・起こしちゃいましたか?」
「いや、大丈夫だよ」
不意に慎吾さんに頭を撫でられその心地よさから目を伏せた
「・・・また嫌な夢でも見た?」
あぁ
ほんと、何でもお見通しなんだ・・・
「手、繋いで寝よ?」
出された手をそっと取り再び眠りに付いた
暖かい手
(安心して眠れるよ)
*end*
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