哀
「泣いてるの?」
朝目が覚めると隣の恋人は涙を流していた
本人も無意識だったらしく俺がそう言うと慌てて涙を拭った
「何かあった?」
「いえ・・」
いつもそう
何があっても頼ってくれないし相談すらしてくれない
「俺って頼りない?」
そう聞く度困ったように微笑みながら決まって同じ事を言う
「・・強くなりたいから」
だから頼れる事は許されない
そう言うんだ
哀しい事があるなら言えば良いのに
その哀しみで盾を作って強くなろうと必死になっている
その盾を壊したら君の気持ちを軽くしてあげる事は出来るだろうか?
できるのならば・・・
哀しみの盾
(その盾俺が壊してあげる)
*end*
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