勇人は俺の家に泊まりにきたときよく泣く
俺にはバレないように
夜中にこっそり泣く
理由はわからない
でもそんな勇人を見てると辛い
今日は泣かないかな?
なんて勇人が寝た時思う
だって寝顔がとても幸せそうだから
ある日俺は我慢できなくなって泣いている勇人を後ろから抱き締めた
「慎吾さ、ん・・・」
慌てて勇人は涙を拭ったがこちらを向かない
目が赤いとバレるから?
「・・なんで泣いてんの」
「あ・・・お腹痛くて・・っ」
強く抱き締める
「嘘・・いつも泣いてるじゃん」
俺が切な気に言うと勇人は観念したかのように苦笑いして話しはじめた
「恐くなったんです・・」
「恐く?」
「この幸せも長続きしないのかなって・・っ」
「なんで・・」
泣きそうな勇人の声にこっちまで泣きそうになる
「大切な人ほど・・・失ってしまう物じゃないですか?」
勇人はそう言うと顔を両腕で隠しながら泣いた
「も、ぉ・・失いたくないんです・・・よ・・っ大切な人を・・・っ、」
俺はそんな勇人をこちらに向かせ強く抱き締めた
「大丈夫・・大丈夫だよ・・・俺は絶対勇人から離れたりはしない、手放したりもしないし・・勝手に消えたりしないから・・・だから、泣くなよ・・」
なかないで、おれがそばにいるよ
(保証なんてないけれど約束する)
*end*
戻る