私が誠凛に入った理由は、単純だ。
たまたま図書館で調べ物をしていたら水戸部先輩と小金井先輩に会い、勧められたから。
これが、一番の志望動機だった。
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「新設高校ですかー。いいですねー」
「うん、校舎もトイレも綺麗だよ」
この時ちなみに私は小金井先輩の学ラン姿が素敵すぎて鼻血を吹く所だった。
「なまえちゃんはどこ受けるの?あ、やっぱりバスケ強い所?」
「それもいいかなって思ったんですけど、私プロになるつもりはありませんし、高校は勉強頑張ろうかなって。」
「えー?だったらさ、俺らのとこ来なよ。良い所だよ!学食美味しいし。なっ水戸部!」
コクリと無言で頷く水戸部先輩を見た後、小金井先輩を見れば凄いキラキラした目でこちらを見ている。・・・か、可愛い・・・・・!学食で喜んでる先輩、見たいかも・・・・。
「・・・・・・・・・・か、考えときます・・・・・」
・・・うん、今思うとなんて単純、馬鹿なんだろう。・・・いやいや、で、でも確かにちょっと成績足りなかったから頑張ったりとかしたけど、別に頑張ったのは先輩と一緒の高校に行きたかったからだけではない。学園祭とか雰囲気が素敵だったし部活の種類も豊富で何より新設高、またそこそこに進学率も高かったからだ。
・・・・まぁ確かに一番の志望動機は「二人に勧められたから」だから不純では、ない・・・・・とも言い切れないけど。
「・・・・・・・・あ」
そういえば、たしか昨日黒子くんと話して同じクラスって言ってた筈。・・・・まだ黒子くんは来てないのかな?見当たらないなぁ、ときょろきょろと教室を念入りに見渡す。彼は特殊だから、ちゃんと見ないとたまに見失ったりどこにいるのかわからない。
「・・・・・・・・あ、」
・・・・・・いた。うわ、気がつかなかったよ。相変わらずだなー、この感じ。
「黒子くん、おはよ」
「おはよう、ございます」
自分の席で本を読んでいる黒子くんの下へと行き挨拶をすればペコリと頭を下げながら返してくれた。
「何の本読んでるの?」
「図書館戦争です。この前テレビで見てから気になって。」
「あ、私もアニメ見てから買ったんだけどおもしろいよね!
何巻まで読んだ?」
黒子くんと本の貸し借りしたいな。結構私が好きそうなの持ってそう。
─────ドンッ
「、っと!」
「あ、わり。大丈夫か?」
後ろから来たクラスメートの男子が持っていた鞄が私の腰にぶつかってしまった。どうやら黒子くんの前の席みたいだ。・・・・ていうか、
「・・・・う、ううん。こちらこそごめん」
で、でか・・・・・・!!
多分、クラスで一番高いんじゃないかろうか?体格的になんかスポーツやってそう。いや、やってるよね絶対。っていうかこの二人の髪の毛目立つなーいや黒子くんはまぁ影の薄さでどうにかなりそうだけどこの人はなんだか迫力があって、なんか、大ちゃんみたいだな。
「・・・・・・・・・みょうじさん?」
「!あ、ごめんごめん!ボーッとしてた」
(もう随分と会っていない幼なじみを、少しだけ思い出した)
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