「・・・・・・・ふぬぉおおお・・・!!」

家に帰って、ご飯を食べて、お風呂に入って。
ベッドで寝転がってようやく落ち着いた頃、今もうすっごく後悔してる。火神くんと黒子くんからしてみれば、いきなり入ってきた奴が何でしゃばってんだって話だ。

「・・・・・・・・・・、」

・・・・あーもう最悪。どうしよう助けてもう馬鹿嫌だ。・・・・ま、まずは、メアド知ってる黒子に謝ろう。それから、明日火神くんにもごめんなさいって謝ろう。それで、できたら黒子にも直接もう一度謝ろう。うん、そうだ。それがいい。

「・・・・・あれ、ケータイ、・・・・着信?」

ケータイをスクバから取り出せば、着信が一件。誰だろ。今日メアド教えたクラスの子かな?そう思って名前を見れば心臓が飛び跳ねた。

「・・・・・、・・・!?」

黒子くん?!

「え、・・・・・えぇ!?」

ど、どうしよ・・・あ、お風呂の時に掛かってきてたのか、・・・いや、何やってんの、そうじゃなくて!か、かけ直さなくちゃ!


─────プルルル・・・

─────プルルル・・・


《もしもし、みょうじさんですか?》
「みょうじです!ごめんなさい!!」
《え?》

捲し立てるように、私はいきなり入ってきた癖にでしゃばってごめん、逃げてごめんなさいとか一気に謝った。つい、黒子くんの声を聞いたらスルスルと色々口から自然と出てしまったのだ。

《・・・・・・ぷっ》
「う、えっ?」
《・・・っす、すみません、変わってないな、と思って。・・・・っふ・・・・っ》
「・・・・・・ごめんなさい」
《・・・いえ、今のは・・・・そうですね、褒め言葉です》
「?・・・ほめ、こと・・ば?」
《はい、そうです。》
『・・・・え、と』
《みょうじさんって何ていうか・・・立ち直りが早いですよね》
「・・・・いや、本当に反省してるよ?別に軽い気持ちじゃ、」
《わかってます。だからすごいなって思います。本当に反省してるんだなって電話越しでもわかりますから。切り替えが早いのは、いいことだと思います》
「・・・・・・うん、・・・・本当に、ごめんなさい」

あぁ、黒子くんはやっぱり落ち着くというか、優しいんだけど、また何か違うような、こう・・・、何て言えばいいんだろう?

《いえ、こちらこそすみません、泣かしてしまって》
「!?い、いや、黒子くんのせいじゃなくてですね・・・・・み、見てたの!?」
《えぇ、目が涙目でしたので。
火神くんの慌てっぷりがおもしろかったです。》
「うわあああああああ」

申し訳なさすぎる!って、ていうか何で黒子くん楽しそうなの!

「ああああやばいやばいぃああああ!!!」
《落ち着いて下さい》
「黒子くん声が楽しそう!」
《あ、バレました?》
「バレちゃいました!!
・・・もー何でそんな楽しそうなの!」

電話で少し黒子くんの笑い声が聞こえたかと思えば、そうですね、二つ理由があります。と言った。

「ふた、つ?」
《ハイ。一つは、みょうじさんが怒ってくれて、少しスッキリしたことと、》
「!」
《火神くんのあの慌てっぷりが頭から放れないからです。・・・・ぶふっ・・・!》
「・・・・・黒子くん、また性格黒くなった?」

元々こんな感じではあった気がするけど・・・・でもまた名前の通りに黒く・・・・

「・・・あー・・・・まぁいいや、どうせ明日謝るつもりだったし。・・・・ごめんね、本当に、八つ当たりしちゃって」
《・・・・・いえ、・・・・・青峰くんとは、会ってないんですか?》
「んー・・・・もうアイツ、バスケ全然しないし。だから会う機会はほとんどないかな。
元々さつきと違って中学と高校同じな訳でもないし。ただの幼なじみだからね。たまに道で会ったら軽く挨拶するぐらい」
《・・・・・・そうですか》
「あ、長く話し込んじゃってごめんね!じゃ、また明日!バイバイ」


────話し込むとか、本当は関係ない。
これ以上話してたら、また色々考えてしまいそうだったから。


《ハイ、おやすみなさい》
「おやすみなさいー」


────ピッ


「・・・・・・・、火神くんは、・・・・あんな風にならないといいな」


ポツリと一人事は、誰にも聞かれずに消えていった。



(だい、じょうぶ、だよね、火神くんは)
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